今まで折に触れ、「アクションは、まず発声をするべきである」という趣旨のことを書いてきました。
しかし、すぐに分かることですが、全てにおいて発声でアクションをしようとすると、自分の話せる言語が通じる場所でしか、ポーカーができなくなってしまいます。私は英語ができませんが、これではラスベガスでポーカーできません。「米」と「ノミ」の差をはっきり言えないようでは、「レイズ」も不安です。
言葉の壁でポーカーが出来ない、なんてことになってしまいかねません。
もちろん、これは大げさな話。実際は一切言葉を発しなくてもゲームは出来ます。
チェックは机を叩く、コールは出ているのと同じだけチップを出す(大きなデノミがコールになるのは、前掲のとおり)、フォールドはカードを手放す、といった具合。言葉を発する必要が無いように、作られているんですね。
さて、今回取り上げるのは、「ストリングベット」です。
ベットやレイズは、以下のようにアクションを行うことになっています。
・ベットやレイズの意思を発声し、メイク額やレイズ額をよどみなく告げ、その額をポットに入れる。
・ベットやレイズの意思を発声し、メイク額を一回の動作でポットに入れる。
・メイク額を一回の動作でポットに入れる。
・レイズの意思を告げ、メイク額をポットに入れた後、レイズ分を一回の動作でポットに入れる。
このいずれかでなくてはなりません。
この中で、「一回に」というのが重要です。
必要なチップを持ち、一連の動作で行う必要があります。
例えば、チップを持ったまま少しずつバラバラと落としたり、2回以上に分けてチップを出したりするのは、認められません。この場合は、一回の動作と認められる分までしかポットに入れられません。
この、一回の動作でベットやレイズを行わないことを「ストリング」といい、ルール違反となります。
ストリングベットが違反となっている理由は、何度も動作を繰り返すことで相手の表情や動作を読むのを防ぐためです。
「幾らなら降りてくれるかな?」というのを実際にチップを出しながらやってはいけない、ということです。
ネットでゲームをしている場合、ボタン動作で全てが行われ、表情や動作を見ることが出来ないので、ストリングベットは在り得ません。
しかし、オフラインは面と向かってゲームをするわけですから、癖もあれば表情も動作も言葉も、全て生身の人間が行います。癖はともかく、許されたアクション以外で手を読むのはフェアじゃない、というわけです。
ストリングベットは非常に重要な概念です。
是非、覚えましょう。
PR